バッハ :協奏曲 アレグロ BWV 972
Bach, Johann Sebastian:Concerto Allegro
演奏のヒント : 大井 和郎 (438文字)
力強く楽しいD-durの第3楽章です。この曲の面白さはセクション毎の楽器の変化や楽器数の変化です。片方の手が伴奏で、もう片方の手がメロディーラインを演奏する部分は、メロディーラインを優先します(例:23~27小節間)。その他の部分は奏者がどちらの声部を優先するかを決め、そちらを出すようにして、もう片方を控えます。
58小節目のようなsoloの部分は、右手が恐らくヴァイオリンのような動きですので、こちらを出すようにして、左手はチェロなどの伴奏と考えます。このように、奏者自身が指揮者になったつもりでバランス等を色々アレンジしてみて下さい。
この曲のテンションや楽しさを上げるには、シークエンスの強弱が必須になります。例えば、61小節目から始まるシークエンスは上行形ですね。69小節目をゴールとして、そこに向かってクレシェンドをかけていくことで方向性が定まり、テンションも高まります。くれぐれもシークエンスを平坦にしないよう、方向性を持つように、強弱を付けることを心がけて下さい。
協奏曲(コンチェルト) 第3楽章
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