この第1楽章は即興性が要求されることは一目瞭然ではあるのですが、一応最初はきちんとリズムを把握し、それを理解した後で、多少崩して即興的に弾いてみましょう。あまりにもリズムに忠実すぎても無味乾燥な演奏になります。
さて、ここからは筆者の、本当に個人的な見解なのですが、筆者がこの楽譜の中で変に感じる部分が数カ所あります。
6小節目1~2拍間
10小節目1~2拍間
19小節目3~4拍間
22小節目1~2拍間
の4箇所です。何故変に感じるか、詳しい分析は出来ていないのですが、解決されるべき音が野放しになっていたり、あるべきではない音があったり、和音進行が理解出来なかったり、と、腑に落ちない部分です。
例えば6小節目の例で言うと、1拍目はHDFの和音ですので、3拍目のF-durのトニック(主和音)に行くのであれば、2拍目は、CEGの和音が来るべきで、そうすればHはCに行き、DはCに降り、FはEに降り、スムーズに行きますが、バッハは2拍目BDFという和音を使っています。
2拍目の表拍は、休符になっていますが、仮にここにFACと言う和音が入っていて、それがたまたま休符であるのならば、話はまだ理解出来ます。
演奏法としては、1拍目から始まり2拍目の最初の音である、Fで一度止め、少し経ってからCBAという32分音符をスタートさせれば不自然な感じはしなくなります。勿論これらの見解に反対意見もあると思いますが、一意件としてお聞き下さい。