平吉 毅州 :子どものためのピアノ曲集《南の風》 波のたわむれ ハ長調
Hirayosi, Takekuni:South Wind *in preparation* C-Dur
ピティナ・ピアノステップ
23ステップ:応用3
演奏のヒント : 杉浦 菜々子 (380文字)
「右手の波と左手の波。大きさもちがえば、表情もちがう二つの波のお話です。2分の2拍子の拍子感で弾いてください。」と作曲者からのメッセージです。左手には、4小節に及ぶ長いスラーが書いてあるのに対し、右手は1小節ごとのスラーの後、2小節にかかるスラーで、左手よりも小さな波の揺れです。6小節目のmfからは右手と左手の波が「ソミー」「ラファー」「ラレー」「レ♭ラー」と次々と呼応します。中間部の10小節目から、ハ長調だった調性は変イ長調に転調します。左手は相変わらず長いスラーで穏やかな波を作りますが、右手は冒頭よりもさらに短い単位になり、小さな波がチャプンチャプンと音を立てるようです。テヌートのついた音の伸びをよく聴き、そのあと必ず離鍵を意識して音の切れ目を確認してから、次の小さな波に入ってください。アーティキュレーションを正確に、波の様相を描いてみましょう。
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