平吉 毅州 :子どものためのピアノ曲集《南の風》 夕顔の花が咲いたよ ヘ長調
Hirayosi, Takekuni:South Wind *in preparation* F-Dur
ピティナ・ピアノステップ
23ステップ:基礎3
演奏のヒント : 杉浦 菜々子 (625文字)
優しく語りかけるように、音の動きや表情を十分に味わいながら演奏しましょう。作曲者が書いたメトロノームのテンポは、四分音符=104~120になっています。音の伸びを聴きながら、動きや和音の色合いの機微を捉えられるテンポを選びましょう。個人的には、少しゆっくり目の方が味わい深い演奏になると思っています。2小節目と6小節目の違いを楽しみましょう。同じメロディですが、6小節目ではテヌートスタッカートが付き、左手も動き出します。続く7小節目の伸びやかなメロディを誘うようです。7小節目は、メロディに寄り添うように左手のバスが順次進行していますので、レガートで弾きましょう。9小節目からは、左手がメロディになり、3声になっています。左手をよく歌わせ、バランスに留意することはもちろんですが、内声の右手の全音符が短くなりやすいので、よく聴き、持続させましょう。15小節のクライマックスは、左右共にたっぷりと、また4拍目の左手で奏されるモチーフの頂点「レ」は、テヌートがついているように大切に演奏しましょう。19小節目「ラレレー」は、1つ前の18小節目の「ラドドー」を受けて、一層内省的に歌われます。フェルマータの「レ」にはディクレッシェンドの松葉とその先にpp、そしてコロンがあり、その1つ1つの意味をよく感じて味わってください。最後3小節のCodaは、左手の内声が短くなってしまわないよう持続音を聴き、最後の左手のモチーフを締め括りとして大切に弾きましょう。
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