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クーラウ : 6つのソナチネ第3番(ソナチネアルバム第6番) 第1楽章 Op.55-3 ハ長調
Kuhlau, Friedrich : Six Sonatinas No.3 Mov.1 Allegro con spirito C-Dur
作品概要
解説 (1)
解説文 : 熊本 陵平
(895 文字)
更新日:2025年1月16日
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解説文 : 熊本 陵平 (895 文字)
小規模なソナタ形式
提示部[第一主題提示(1から8小節)、推移部(9から12小節)、第二主題提示(13から16小節)、終結(17から20小節)、小コーダ(21から24小節)]
展開部[主題の部分展開(24から26小節)、ゼクエンツ(26から30小節)、移行(31から35小節)]
再現部[推移部(36から40小節)、第二主題提示(41から45小節)、終結(46から49小節)、コーダ(50から57小節)]
再現部において、第一主題が省略され、推移部から開始されるのは珍しい事例だと思われる。
・各主題の特徴
第一主題は1から4小節。5から8小節まで主題が展開され、8小節でもって第一主題の提示が確立される。
アウフタクトを6度重音から始まり、左手に八分音符の主音保続音が続きながら、順次進行による旋律が流れる。構成は二つに分けられ、前半部1から2小節では旋律線が重音で進行し、伴奏は主音保続音となる。後半部3から4小節は旋律線に16分音符の音階的上下行があり、後に半終止を迎える。
5小節目から伴奏部の保続音は属音となり不完全カデンツから始まり、8小節目で全終止を迎える。この主題(1から4小節)と主題の展開(5から8小節)という一連の流れは半終止から全終止へと向かっていき、対の動きとなっている。
主題全体としては順次進行によって横の流れへの意識が強い、滑らかな性質を持つ。
これに対して、第二主題は、12小節アウフタクトから始まるが、調性は平行調のa mollであり、スタッカートとアクセントが印象的な跳躍的でリズミカルな性質を持っている。
規模として、第一主題が4小節に対して、第二主題は2小節。二つの主題は対照的な性格を持っていると考えられる。
ソナタ形式(ソナチネ含む)において、第一と第二主題は楽曲の軸であるから、その性格をよく捉えて表現することはこれらソナタ、ソナチネを演奏することで大切な事柄の一つと考えたい。
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