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クーラウ :6つのソナチネ 6つのソナチネ第3番(ソナチネアルバム第6番) Op.55-3 ハ長調

Kuhlau, Friedrich:Six Sonatinas Six Sonatinas No.3 C-Dur Op.55-3

作品概要

楽曲ID:18305
出版年:1823年 
初出版社:Leipzig
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナチネ
総演奏時間:6分10秒
著作権:パブリック・ドメイン
原曲・関連曲: 曲集・オムニバスソナチネ・アルバム1

解説 (1)

【概要・演奏へのヒント】 : 大塚 萌 (929文字)

更新日:2022年6月23日
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フリードリヒ・クーラウ(1786-1832)は、ドイツの作曲家、ピアニスト。20 代で移住したコペンハーゲンで書かれた《ピアノのためのソナチネ》は、ピアノ学習者にとって馴染みの深い作品となっている。ピアノのみならず「フルート界のベートーヴェン」と呼ばれるほどフルートにおいてもとりわけ多くの作品を残している。

6つのソナチネ第3番は、ルイス・ケーラー(1820-1886)らが編集した《ソナチネ・アルバム第1巻》の第6番として収められている。主に古典派の作曲家が作曲したソナチネやピアノ・ソナタの中から難度の高くない作品をピアノ演奏用の教材として集めた曲集であり、この中で本作品は中くらいの難易度として扱われるであろう。

2楽章構成のとても短い作品でどちらの楽章も全体的に軽快な楽想を持っている。

第1楽章、ハ長調、4分の4拍子、Allegro con spirito(快活に速く)

独自のソナタ形式で書かれ、軽やかなアウフタクトから始まる主題が印象的である。

提示部は6度音程の連用と上下声部の掛け合いによる弾むような第1主題から始まる。第9小節からの推移部を経て、第13小節からくるくると回るダンスのような右手と、伴奏形となった左手による第2主題が現れ、属調であるト長調へと行きつく。

第25小節からの展開部では、第1主題が調や高さやを変えて次々に変容していき、クライマックへと昇り詰めていく。

第36小節からは再現部となり、推移と第2主題が再現される。第1主題の再現を省く手法はベートーヴェンのソナチネ作品でも見られる。第2主題は本来主調で再現されるはずであるが、様々な調に寄り道をし第46小節でようやく主調のハ長調を再現する。

第53小節からは高音での右手の技巧的な音型により、華やかなコーダとなり楽章を締めくくる。

第1主題と第2主題の性格の違いを理解し、音色やタッチを変えて表現することが求められる。第1主題は連続した6度音程、付点のリズムが特徴的であるが、常にdolceで現れているので、決して重たくならないように温かみのある表情で。展開部からは長いクレッシェンドを効果的に使い、32小節のF音まで緊張感を高め、主調ハ長調トニックへの解決へと導くと良いだろう。

執筆者: 大塚 萌

楽章等 (2)

第1楽章

調:ハ長調  総演奏時間:3分50秒  ステップレベル:基礎5,応用1,応用2,応用3

解説0

編曲0

第2楽章

調:ハ長調  総演奏時間:2分20秒  ステップレベル:基礎5,応用1,応用2,応用3

解説0

編曲0