威厳を持って弾いて欲しい第1楽章です。オーケストラの部分、ソロの部分のコントラストをはっきり付けて下さい。その上でテンポの話になります。

実はこの曲の音源が非常に少ない中、4分音符=94位で演奏されている音源があるのですが、少し速すぎるかもしれません。

この曲のテンポは、曲中に出てくる32分音符が「急いで聴こえないテンポ」を選んで下さい。何の音を弾いているのかさえも解らない発音が悪くなってしまう速すぎるテンポを避けます。

37~40小節間も勿論テンポは落としません。ここも無理なく弾けるテンポを選んで下さい。

ここから先は筆者の独断で決定したものです。31小節目のお話です。31小節目の3~4拍間の問題です。これはミスプリントであると確信しております。これは、4拍目右手の最初の音であるCisが本当はCであると思います。飛躍して、3拍目のCが、本当はCisではないかという疑念も持てますが、その場合、左手の和音のCもCisにしなければなりません。バッハの曲は相当聴いてきましたが、ここは明らかに何らかのミスと思われます。筆者であれば、4拍目のCisをCに直して演奏します。