タイトルの下に“Opposition des nuances”=「対立するニュアンス」とこの曲の課題が書かれています。バレエなどの場合の登場曲を、アントレentréeというそうです。まさに舞台の幕から演者が登場してくるようなモチーフです。このモチーフ、冒頭と12小節目だけは、アウフタクトになっており、3拍目から歌われ始めます。2拍待てずに登場してしまったようで、面白いですね。バレエのダンサーのようにきびきびとした身のこなしを音に置き換え、演奏されると良いでしょう。そのユニゾンのfのテーマと「対立されるニュアンス」の5小節め、17小節め部分の左手は、振り子の揺れのように規則正しく、さりげなく静かに演奏されると、対照的なニュアンスとして描き出されると思います。