モーツァルト : 6つのウィーン ソナチネ 第2番(カウアーによるピアノ・ソロ編) 第2番 第4楽章 ロンド
Mozart, Wolfgang Amadeus : 6 Wiener Sonatinen No.2 No.2 Mov.4
作品概要
ジャンル:ソナチネ
総演奏時間:2分30秒
著作権:パブリック・ドメイン
解説 (1)
演奏のヒント : 大井 和郎
(697 文字)
更新日:2025年10月9日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (697 文字)
この終楽章を演奏するにあたり、重要なことを述べます。それは拍を認識することに尽きます。1拍目を感じて弾くことです。冒頭アーフタクトから出る、ECis が1拍目と勘違いさせてしまうような演奏は避けて欲しいです。この曲は、一度拍を認識し間違えると、そのまま進んでしまっても違和感を感じずに進行してしまう書かれ方をしています。例えば8〜12小節間、2拍目を1拍目に変えてしまう方が自然です。
たとえ奏者が1拍目を認識していたとしても、初めてこの曲を聴く人たちのために、1拍目をわからせなければなりません。1〜3小節目の1拍目、表拍には非和声音が書いてあり、それらは強拍の位置にあります(ここに書かれてある経過音のような非和声音は、弱拍に来ることで流れをスムーズにしますが、強拍に来ることで表現が強くなります)。
例えば1小節目の1拍目は、ACisEという和音で構成されており、それ以外は非和声音になりますが、ここには非和声音Hが書かれており、それは前のCisから順次進行で下行し、裏拍のAにたどり着きます。その際、Hに少しアクセントを付け、次のAは解決音なので可能な限り、弱く、短いスタッカートで弾いてください。そうすることでHが強調され、拍の認識が確かになります。
以降、すべての1拍目をよく理解して感じながら演奏してください。故に、不必要な箇所で止まったり、時間を取ったりすることはさらに曲を混乱させますので、避けてください。