ホーム > 南 聡 > ピアノのための《昼の注解/鳥籠の中の変貌》(ピアノソナタ第2番)

南 聡 :ピアノのための《昼の注解/鳥籠の中の変貌》(ピアノソナタ第2番) Op.25

Minami, Satoshi:Annotation of Le Midi/Metamorphosis in the Bird Cage 2/Piano Sonata 2 Op.25

作品概要

楽曲ID:4519
作曲年:1992年 
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:15分00秒
※特記事項:CD出版 Fontec FOCD2554 ジグザグ バッハ 南 聡作品集に収録

解説 (1)

執筆者 : ピティナ・ピアノ曲事典編集部 (621文字)

更新日:2010年1月1日
[開く]

渋谷淑子の委嘱により作曲。彼女のリサイタルにて初演され彼女に献呈された。

4つの楽章からなるが、いずれの楽章も道化じみた一種の変身物語としての性格を持つ。そのため、この曲の基調は軽やかで明るく茶目っ気の精神にある。

第1楽章、微妙なニュアンスから途方もない音楽的変化のために。前半CAGEの音がひそかに浮き出させるところから始まり、最後はポップコーンがはじけるように音が飛び散ってBACHの4音に終わる。ここには二人の作曲家の名前がある。

第2楽章は「昼の注解」という題の単独曲として演奏可能。流動する雲のような楽想から明快な拍節構造ができるまでが、この楽章の変身の構図。この楽章ひとつで他の楽章とのバランスを取っている。

第3楽章、引用された原型への帰納的変身。最初から原曲を弾くのと同じ気分で演奏するが、よりおおげさに、かつやや遅めのテンポで。「・・・すると魔法がとけて美しい王子様の姿になりました・・」といった雰囲気のほんの一口もののデザート楽章。

第4楽章はアメーバー状に性格を変化させていく快速フィナーレ楽章。それでもこの曲が鳥籠(ある限定された枠の暗喩)の中の出来事でしかない、という暗示としてCAGEの4音が低音で示されBirdからBとD音が曲尾で引き出される。お釈迦様の手のひらで暴れる孫悟空をイメージしてもかまわない。

この曲は、第1楽章、第4楽章、第3楽章の順で演奏した場合、「鳥籠の中の変貌2」というタイトルの曲になる。

全曲15分弱

現在視聴できる動画はありません。  

楽譜

楽譜一覧 (1)