ギロック : こどものためのアルバム クラシックカーニバル 1.宮廷のコンサート
Gillock, William : Album for chirdren Classic carnival 1.Royal Concert
作品概要
解説 (1)
演奏のヒント : 杉浦 菜々子
(514 文字)
更新日:2025年6月18日
[開く]
演奏のヒント : 杉浦 菜々子 (514 文字)
更新日:2025年6月18日
[開く]
宮廷音楽の気品と華やかさが表現された小品です。18世紀後半から19世紀初頭のクラシック様式を踏まえ、均整のとれた三部形式で構成されています。端正なメロディー、ゆったりとしたテンポが特徴で、上品な響きの中に軽快なリズム感が加わり、宮廷に集う人々の祝祭的な楽しい雰囲気を描き出しています。
演奏においては、まず左右のバランスに配慮しながら音の重なりを丁寧に表現することが大切です。右手は音価の細かい旋律を、左手は主に二分音符で構成された通奏低音風の伴奏を担っており、それぞれの対話を明確に描き出す必要があります。右手の旋律はヴァイオリンのようで、アーティキュレーションを正確に行い、音の重さや軽さをはっきりと示します。特に軽い音が抜けたり散ったりしないよう、小さくても実のある音を心がけることが求められます。16分音符はトリルを音符に置き換えたものであり、アクセントのある音に軽やかさを加える役割を持つため、そのニュアンスを的確に表現することが重要です。
また、フォルテとピアノの対比を明確にして段落をくっきりと示すことで、曲全体の構造が明瞭になります。全体を通して祝祭感をもって演奏することが、この作品の魅力を伝える上で鍵となります。
執筆者:
杉浦 菜々子
編曲・関連曲(1)
楽譜
楽譜一覧 (2)

ギロック こどものためのアルバム
(株)全音楽譜出版社
(株)全音楽譜出版社

ギロックベスト レベル2
(株)全音楽譜出版社
(株)全音楽譜出版社