作品概要
解説 (2)
演奏のヒント : 杉浦 菜々子
(690 文字)
更新日:2025年5月12日
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演奏のヒント : 杉浦 菜々子 (690 文字)
華やかなコンサート用の練習曲です。右手の細かなパッセージや、左手のリズムの変化、内声の動きなど、演奏者の音楽的な集中力とテクニックが求められますが、それらをクリアすることで、音楽の流れとノリに身を委ねて楽しめる作品です。
冒頭の細やかなモチーフから、4小節目で一気に駆け上がるように展開する部分は、ショパンの《子犬のワルツ》を彷彿とさせ、爽快な推進力を与えています。クレッシェンドを伴い駆け抜けて、しかし慌てずに弾くことで、爽快な印象を作ることができるでしょう。9小節目からは、右手のアクセントの音と左手のリズムが一致してきます。シンコペーションによって、リズムのズレが生まれ、音楽が一層生き生きとしてきます。この部分は、ジャズを好んだギロックならではのセンスが感じられ、演奏にも少し遊び心を取り入れると魅力的に響きます。テンポ感を大切にしながら、リズムの「ノリ」をしっかり感じて弾きましょう。
中間部は変ホ長調に転じ、Meno mosso molto lyricoと書かれているとおり、雰囲気ががらりと変わります。旋律はたっぷりと、息を深く取るようなつもりで丁寧に歌っていきましょう。左右が寄り添って動く箇所では、まるでハモるように、響きを聴き合いながら柔らかく弾くと効果的です。ペダルの使い方にも工夫が必要で、濁らせず、でも音のつながりは大切にしたいところです。
全体を通して、ワルツの優雅さとジャズのリズム感、そしてエチュードとしてのシャープな技巧性がバランスよく共存しています。練習の中でそれぞれの要素を丁寧に捉えながら、最終的には音楽そのものを楽しんで演奏することが大切です。
解説 : 今関 汐里
(238 文字)
更新日:2021年3月1日
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解説 : 今関 汐里 (238 文字)
4分の3拍子、ト長調。3部形式。注釈として「ロマン派のスタイルで/Dallas Music Teachers' Associationに加入している生徒のために」と書かれている。左手のバス音+重音×2の伴奏音型が三拍子のワルツのリズムを刻んでいる。右手はショパンの子犬のワルツのように主音gを中心として冒頭の3小節間で回旋し、その後旋律の音(アクセントの指示の付いている音)と装飾音を明確に弾き分ける必要がある。中間部では、高音のきらめくような音色で息の長い旋律が奏でられる。
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