この曲は、右手の和音の転回形をレガートで弾く練習に適しており、和音のつながりを意識することが重要です。上声の音をやや長めに残し、後から放すようにすると、次の和音へ自然に移行しやすくなります。指の動きがぎこちなくならないように、手首を柔軟に使いながら、なめらかに進めるとよいでしょう。  

曲全体の雰囲気はのどかで、広がりのある農民の歌を思わせます。旋律をよく歌い、和音の響きを生かすことで、素朴ながらも温かみのある表現を心がけましょう。特にフレーズのまとまりを意識し、途中で途切れることのないように流れを大切にします。  

17小節目からは「poco più mosso」となり、ここでやや力強く演奏します。威勢の良い掛け声とともに、農民たちが生き生きと働く様子が感じられるように、しっかりとしたタッチを心がけましょう。エネルギッシュな雰囲気を作り出すことがポイントです。  

25小節目からは「Tempo Ⅰ」に戻り、和音がアルペジオになります。フォルテで響かせ、和音の美しさを際立たせましょう。ペダルも十分に使い、音の広がりを意識することで、豊かな響きを与えましょう。