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松村 禎三 :ピアノ協奏曲 第1番

Matsumura, Teizo:Piano Concerto No. 1

作品概要

作曲年:1973年 
楽器編成:ピアノ協奏曲(管弦楽とピアノ) 
ジャンル:協奏曲

解説 (1)

解説 : 小室 敬幸 (712文字)

更新日:2018年4月24日
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NHKからの委嘱により、ピアニスト野島稔を独奏者に想定して作曲された作品。作曲者自 身は本作について「大地からたちのぼる自然な うたでありたいと思いつづけて、この曲を書き ました。そして近来失われがちな音楽の本来的な豊穣さを再び回復できればと念願してこ の曲に力を尽くしました」と述べている。1973 年11月4日に、野島のピアノ、岩城宏之指揮 のNHK交響楽団によって放送初演された。ス テージでの初演は1975年2月8日、山田一雄指揮の日本フィルハーモニー交響楽団、ピアノ はやはり野島であった。

30分ほどの単一楽章による作品だが、おおまかに4つの部分に分かれている。第1部(1小節~)では、ピアノの左手で繰り返されるド♯の響きがドローンを作り出し、徐々に様々な要素が加わっていくことで大伽藍を築く…… という流れを2度繰り返す。ピアノの左手にのみシャープ3つの調号がついているのは、嬰ヘ短調の主和音が響きの基調を作り出すからであろう。第2部(121小節~)でも、第1部同様にピアノパートでド♯が繰り返されるが、長大なクレッシェンドは行われず、旋律線もそれまでと異なるものが表れる。第3部(176小節~)でAllegro moltoにテンポが上がり、繰り返される音がシ♭に変化すると、それまでとは異なる輪郭のはっきりとしたパートが増えてゆき、 暴力的なほどのクライマックスを形作る。第4 部(674小節~)に入ると、再びピアノの低音部でドの音が繰り返されるが、その上に乗る右手のパートに黒鍵が増え、少しずつ明るい響きがあらわれはじめる。そのまま大きく盛り上が ることはなく、徐々に音数が減り、遠景へと響きが薄れてゆく。

執筆者: 小室 敬幸
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