作品概要
解説 (1)
演奏のヒント : 大井 和郎
(574 文字)
更新日:2024年2月19日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (574 文字)
更新日:2024年2月19日
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3声のフーガ形式です。通常、ジーグはその語源である、はしゃぐという意味から、速い速度で弾かれますが、このジーグでそれをやってしまうと多くの問題が起こってきます。問題は後半に出てくるトリルの奏法にあります。
33小節目を例に取ります。この装飾音のフィギュアを見る限りでは、トリルの数はともかく、HからCis Dとあがり、そこから、DとCisのトリルを弾き、最後に、Cisで終わらせてから、32分音符のH Cisを弾き次の拍に行きます。
フィギュアから察するに、1拍目はどんなにトリルを短くしても、HCisHCisDCisDCisHCis は欲しいところですね。そうするとまず、技術的に困難では無いテンポを選ぶことが必須になります。
加えて、このトリルは、あまりにも瞬間的に音数が多くなるため、別声部の音量を消しがちな音量になってしまう危惧があり、その様な意味でもテンポは速すぎない方が良いです。聴いていて、焦りを感じず、テクニック的な辛さを感じず、別声部はこのトリルによってかき消されない、テンポを選んでください。
もう1つ、このジーグは、ポリフォニーの秩序を守るには至難の業が要求されます。経てば、15~17小節間、ソプラノとアルトの区別を付けなければなりません。23~25小節間、アルトとバスの区別を付けなければなりません。これらの工夫も必要になります。
執筆者:
大井 和郎
楽譜
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