ホーム > バッハ > パルティータ 第5番 ト長調 > テンポ・ディ・ミヌエッタ

バッハ :パルティータ 第5番 テンポ・ディ・ミヌエッタ BWV 829

Bach, Johann Sebastian:6 Partiten Nr.5 Tempo di Minuetta

作品概要

楽曲ID:39181
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:組曲
総演奏時間:1分10秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:展開1 展開2 展開3

楽譜情報:12件
  • クリックして画像を開く
  • tab

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (701文字)

更新日:2024年2月19日
[開く]

このテンポ・ディ・ミヌエッタは、3拍子なのですが、わざわざ2拍子で感じるように書かれています。これは3拍子を気にすること無く、棒が2本出ている8分音符には少しアクセントを付け、2拍子に感じて演奏して良いと思います。バッハのユーモラスなセンスだと考えます。

このテンポ・ディ・ミヌエッタは3拍子に戻る部分、つまり、4小節目や11~12小節間、16小節目、20小節目等、がカデンツ(終止)と考えます。そうすると、12小節目までを見たとき、フレーズは、1~4小節間と、5~12小節間の2つと考えます。この2つのフレーズは、当然ですが、異なった物として、音量、音質を異ならせるように扱います。

ちなみにその後のフレーズですが、13~16小節間、17~20小節間、21~32小節間、33~52小節間の4つを足し、曲全体で、全部で6つと考えます。

メロディーラインと言えるのかどうかはわかりませんが、順次進行ではなく、アルペジオが連なっていますので、音の高低に従って音量を決定して間違い無いと思います。例えば1~4小節間はクレシェンドをかけてカデンツに到達し、5~12小節間は今度はフォルテから始まり、ディミヌエンドで下行し、カデンツに到達するといった具合です。

しかしながら、13~16小節間と17~20小節間は、両方とも上行してカデンツに到達しますが、2つのフレーズでは減7の和音が出てきて、20小節目はa-mollに転調するようなニュアンスがあります。同じ上行形でも和声やその他の状況によって、テンションが異なりますので、奏者が感じるように強弱を付けてみて下さい。決して同じ2つのフレーズが出来ないようにして下さい。

執筆者: 大井 和郎