作品概要
解説 (1)
演奏のヒント : 大井 和郎
(719 文字)
更新日:2024年1月19日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (719 文字)
フランス組曲、インベンション、シンフォニア、平均律曲集のG-durを思い出すと、バッハのG-durは、力強く楽しい調でもあり、同時に品のある調でもあることがわかります。
まず、このプレアンブルム を演奏するにあたってどうしても守って欲しいことがあり、それは「拍の認識」です。1拍目がどこか、2拍目がどこか、3拍目がどこか、いつでも拍を感じて進んでいき、タイミングは寸分の狂いも無く進ませます。
例えば、1~2小節間の場合、2小節目で2拍目の和音があり、3拍目は休符になっていますので、3小節目の1拍目は寸分の狂いも無く出てこれるようにしてください。時間を取り過ぎてもはしょってもいけません。
5小節目以降、16分音符が連続して出てくるところも、拍を認識して下さい。21小節目のように、左手が伴奏系で拍を刻む役割を果たしている場所は、割と安定できますが、16分音符だけの小節は、下手をすると、テンポが走ってしまったりしがちなので注意して下さい。
このプレアンブルム の性格は、楽しく、ウイットに富んだ会話のように進みます。例えば、このプレアンブルムの主題は、冒頭4小節になりますが、例えばですが、1~2小節間は小さな声で、3~4小節間は大きな声で、というような対比が欲しいところです。このテーマが出てくると、4小節目の1拍目は、右手にFis、左手にGがあり、クラッシュしますね。このようなクラッシュは、そつなく聴かせるのでは無く、むしろ故意にクラッシュを表現した方が良いので、強めの強弱に設定して下さい。
テーマは41小節目で初めて短調になります。ここでも、44小節目1拍目は和音がクラッシュしていますが、短調ですので、さらにテンションは高まります。
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