バッハ :パルティータ 第4番 アルマンド BWV 828

Bach, Johann Sebastian:6 Partiten Nr.4 Allemande

作品概要

楽曲ID:39171
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:アルマンド
総演奏時間:6分10秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

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楽譜情報:11件
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解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (704文字)

更新日:2024年2月19日
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多くの感情とドラマが含まれている、層の厚いアルマンドです。

一般論として、少なくともバロック時代において、ある曲のテンポが箇所によって異なってしまう現象は決して良いことではありません。テンポは1つに留めたいところなのですが、このアルマンドに関しては例外と言わざるを得ません。

31小節目、50小節目のように、音符が細かくなり、音価が少ない音符が並ぶとき、決して急いでいる、焦っている、技巧的な雰囲気は、このアルマンドでは必要ではありませんので、これら、細かい音符が出てくるところは無理の無いテンポに設定して頂いて正解なのですが、これら、細かい音符が多く出てくる小節のテンポを基本のテンポとして、そのテンポで、例えば1小節目の様な、音価の高い音符の並ぶ小節を弾いたとき、極端にテンポは遅く感じられるはずです。

奏者の中には、厳密にそのテンポを守って弾いている人もいて、どちらかというとそちらの方が理屈に叶っています。しかし、例えば、1小節目を弾くとき、間延びせずに、自然に歌えるテンポで弾いたとします。そうすると、当然ですが、細かい音符が並ぶ小節はテンポが速くきこえて忙しくきこえてきます。

そこで、1案ですが、1小節目の様に、音価の高い音符が並ぶ小節は、不自然さを出さず、間延びせずに自然の流れで歌い上げ、そしてそのテンポで進んでいき、例えば19小節目の様な音価の少ない音符の並ぶ小節に達したとき、今度は急がず、焦らず、技巧的にならずに、これも自然に歌い上げる様に弾きます。

そうすると当然ながら、1小節目のテンポと19小節目のテンポは多少異なります。しかし、それがこのアルマンドを弾くにあたって自然な流れになります。

執筆者: 大井 和郎