バッハ :パルティータ 第2番 アルマンド BWV 826

Bach, Johann Sebastian:6 Partiten Nr.2 Allemande

作品概要

楽曲ID:39158
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:アルマンド
総演奏時間:3分20秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:展開1 展開2 展開3

楽譜情報:11件
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解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (928文字)

更新日:2023年4月16日
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ほぼ2声で出来上がっているアルマンドです。故に両声部ともスムーズに横に流れる必要があります。縦割りの音楽になってしまわないように注意します。それには、声部をシェープする(形取る)演奏が必要になります。つまりは全て同じ音量、同じ音質で、マルカートに進まないようにします。そこで提案なのですが、8つの音符を1つのグループとして考える考え方を推奨します。

冒頭、アーフタクトは右手3つの音符(As G F)から始まっていますね。この最初のAsから8つの音符を辿っていくと、8つ目は1小節目、2拍目表拍のCであることがわかりますね。ここまでをひとくくりとします。

次の8つのグループは右手2拍目表拍のFから始まります。ここから8つを辿っていくと、右手4拍目の表拍にあるAsまでという事がわかりますね。そして同じようなくくりを繰り返します。

ここで、この8つの音符をどうするかお話しします。8つの音符はpから始まり、途中少しだけ音量をあげ、最後の音符で音量を落とします。最初の8つの音の場合、導音Hから主音のCに解決されますのでなおさら都合が良く終われます。

次の8つのグループの最初の音であるFはpから始まり、同じシェーピングをして、最後の2つ、G As でAsを小さく弾きます。

つまりは1小節目、2拍目の表拍と、4拍目の表拍にはくれぐれもアクセントを付けないようにしてください。左手は2拍遅れで始まりますが、これも8つの音のグループにしてしまいます。そうすると、丁度、1小節目4拍目の左手Cは、右手のグループの最後であるAsと同じ場所にあるため、両声部ともに力を抜ける場所になります。

このように考えることで、声部はスムーズに進行します。

必ずしも8つの音のグループに限らず、例えば、3小節目、右手を観てみましょう。1拍目の

CDEsの最後の音は次の拍の表拍にあるFと考えます。そうすると次のシークエンスは、EsDCと始まり、4拍目の表拍にあるGまでと考えます。

左手は、1小節目の8つのグループが続いていますので、これも先ほどの説明通りに従うと、この場合も丁度力の抜ける部分は、左手と右手が同じ位置になりますね。以降、この秩序を守りつつ進む事で、ラインがスムーズに進行します。

執筆者: 大井 和郎