バッハ :フランス組曲 第4番 クーラント BWV 815

Bach, Johann Sebastian:Französische Suiten Nr.4 Courante

作品概要

楽曲ID:39135
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:クーラント
総演奏時間:2分10秒
著作権:パブリック・ドメイン
ピティナ・コンペ課題曲2024:D級級

ピティナ・ピアノステップ

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解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (874文字)

更新日:2023年4月16日
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「クーラント」はフランス語で、軽快な、流ちょうな、流れるようなという意味があります。一方でイタリアのクーラント(コレンテ)は、走るという意味があります。ルイ14世時代の時に、このルイ14世が最も得意とした踊りがこのクーラントでした。そして知識や頭脳、地位などを見せつける踊りで、「そこまで速くない」踊りだったらしいです。

バッハはこのフランスのクーラントとイタリアのクーラントを両方使い分けました。イタリアタイプのクーラントは単純拍子で書かれており、テンポも速いとされています。一方で、フランスのクーラントは流れるような流ちょうさが求められそこまで速くは無く、拍子も複合拍子で書かれています。このクーラントは単純拍子で書かれてあるイタリアのクーラントです。

楽譜上のリズムで最も筆者を悩ませるのは、このクーラントにも出てくる付点8分音符+16分音符に対する3連符です(例:1小節目 2拍目、3拍目)。どの音源を聴いてもこの3連符の3つめの音は、別声部の16分音符とぴったり合っています。

リズムそのものの書き方に矛盾が生じてきます。同じような例としてはショパンのバラード第4番のコーダ。ここにも同じリズムが出てきますが、これも3連符の最後の音と付点音符の後に書かれた音符がずれることはありません。しかしプロコフィエフのコンチェルト2番、第1楽章の冒頭では、リズムはずらさなければならないとコンクールで指摘されたことがあります。では一体どのように判断すれば良いのかという問題になってきますが、これは、多くの音源を聴き、それが伝統的引き継がれて来ていると考え、納得するしか方法は無いようです。

と言うわけで、このクーラントは付点8分音符+16分音符と3連符の最後の音がピッタリ合います。もうそういうものだと思うしかありません。

曲を弾いてみればおわかり頂けると思いますが、少なくともバッハの機嫌はかなり良かったと思えるような楽しさにあふれている曲です。

11小節目、26小節目、32小節目等をピークポイントとして考え、ダイナミック等を付けて方向性を持たせて下さい。

執筆者: 大井 和郎
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