バッハ :イギリス組曲 第5番 プレリュード BWV 810

Bach, Johann Sebastian:Englische Suiten Nr.5 Prelude

作品概要

楽曲ID:39109
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:組曲
総演奏時間:4分30秒
著作権:パブリック・ドメイン
ピティナ・コンペ課題曲2024:E級級

ピティナ・ピアノステップ

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楽譜情報:15件
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解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (544文字)

更新日:2024年2月19日
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全体の小節数が156小節もある長いプレリュードです。冒頭2小節と、終わり部分の155~156小節間を除けば、他は全ての小節がほぼ16分音符で埋め尽くされています。

この手の曲は節目がありませんので、音楽は淡々と、そして延々と進みがちで、結果、聴いている方としては大変長く感じてしまいます。目標としては、同じ分数でも短く聴こえる演奏法を目指す様にします。

そのためには、楽曲分析は必須であり、各セクション、各調、どの部分が「山のてっぺん」であるか理解しなければなりません。シークエンスは多くあり、1小節単位で上行したり下行したりするシークエンスが殆どですので、尚更全体を長い目で見る様にします。

このような時に助けになるのがカデンツ(終止)の部分ですが、前述しましたとおり、16分音符は止まること無く延々と進みます。見逃しがちではありますが、例えば、40小節目、82小節目、105小節目、等は曲の節目と考え、そこでセクションが終わって、新たなセクションが始まると考える様にします。このカデンツの部分はほんの少しだけ、テンポを引っ張って、終止であることを聴いている側に伝えるのも良い手段であると思います。

このような曲を分割することで、音楽はわかりやすくなり、長い音楽も短く感じさせることができます。

執筆者: 大井 和郎