バッハ :イギリス組曲 第4番 プレリュード BWV 809

Bach, Johann Sebastian:Englische Suiten Nr.4 Prelude

作品概要

楽曲ID:39103
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:組曲
総演奏時間:6分10秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:発展1 発展2 発展3 発展4 発展5

楽譜情報:15件
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解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (648文字)

更新日:2024年2月19日
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108小節にも渡る長いプレリュードです。テンポはカットタイム(cut time)である2/2拍子ですが、この当時の2/2拍子は極めて速いテンポを意味します。しかしながら、途中に出てくる32分音符を含んだ装飾音等を鑑みたとき、ある程度の落ち着いたテンポでないと演奏は困難になることがわかります。この場合の2/2拍子はむしろ、生き生きとしたテンポでという意味が強いのかも知れません。

奏者はこのプレリュードをいくつかに分け、セクション毎にまとめてください。1つのセクションが終わり、次のセクションに入るときは少しテンポを溜め込んで、大げさなカデンツとして弾くと効果的であるし、聴いている方も、分割されることにより、判りやすくきこえます。

このプレリュードに限らないことでありますが、deceptive cadenceというカデンツがあり、日本語では偽終止(ぎしゅうし)と呼ばれます。平均律曲集第1巻のAs-durのフーガが手元にあれば開いてみて下さい。ここでは、33小節目3拍目が偽終止になります。本来、ドミナントVから、トニックI に行くのが当たり前で、聴く方もそれを期待しているところに、VからVIに行ってしまうカデンツの事で、これは本来強調されるべきでありますから、VIは大きく弾かれなければならないのですが、ここを普通に何も感じずに弾く奏者は後を絶ちません。

このプレリュードでも、18小節目と106小節目に偽終止が出てきます。大人しく終わるのでは無く、前のドミナントよりも強い音量で弾いて下さい。

執筆者: 大井 和郎

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