バッハ :イギリス組曲 第2番 アルマンド BWV 807

Bach, Johann Sebastian:Englische Suiten Nr.2 Allemande

作品概要

楽曲ID:39092
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:アルマンド
総演奏時間:3分10秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:発展1 発展2 発展3 発展4 発展5

楽譜情報:14件
  • クリックして画像を開く
  • tab

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (620文字)

更新日:2024年4月1日
[開く]

このアルマンドは、悲しみの表現も含まれているのかも知れませんが、美しさが強く出ているアルマンドです。6小節目、3拍目の左手16分音符に装飾が付けられている状況から察して、テンポは決して速くは進みません。そして、何しろ、このアルマンドは、「横に流れてほしい」と言う強い想いを感じずにはいられません。

ところが横に流そうとすることに障害があります。拍の頭に多くの音符が書かれているのです。基本的には3声~4声の声部が故、どうしても縦割りに聞こえてしまう箇所が、特に前半には多くあります。例えば7小節目、右手の内声は、2つの音が、それぞれ拍の頭に入ってきます。これらの音を弾けば当然、拍は刻まれてしまいますので、縦割りに聴こえる原因となります。

拍を刻む内声は、極力ppで弾くことが必須になります。

加えて、横に流れる奏法のコツとしては、レゾリューション(解決音)に注目し、それらに決してアクセントを付けないことも秘訣です。

簡単な例ですと、1小節目左手、最後の音であるgisはa-mollの導音で、これが、2小節目にaに進み解決となりますので、このaには絶対に力を入れない様にします。

また、たとえ異なった声部でも、レゾリューションと聴こえてしまう声部には気をつけます。8小節目、2拍目4分音符のdisは、eで解決されますが、ヘ音記号の別の声部が3拍目でeになります。勿論別声部ではあるのですが、3拍目のeを柔らかく弾くことで、きこえ方も異なってきます。

執筆者: 大井 和郎