バッハ :イギリス組曲 第2番 プレリュード BWV 807

Bach, Johann Sebastian:Englische Suiten Nr.2 Prelude

作品概要

楽曲ID:39091
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:組曲
総演奏時間:4分30秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:発展1 発展2 発展3 発展4 発展5

楽譜情報:14件
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解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (581文字)

更新日:2024年4月1日
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164小節にも及ぶ長いプレリュードです。しかし転調は近親調のみであり、目まぐるしく調が変わるわけでもなく、ほぼ原調に留まり、ほぼ2声で淡々と進行すると、節目の無い、平坦な仕上がりになりやすいプレリュードとなります。

この手の音楽は必ず分岐点、つまりはカデンツ(終止形)を認識しましょう。そして、カデンツによって曲を細分化してしまいます。大きく分けて、このプレリュードにはカデンツが4つ存在します。

1つ目:47小節目

2つ目:87小節目

3つ目:110小節目

4つ目:156小節目

になります。87小節目にある2つ目のカデンツのみ、e-mollですが、あとは全てa-moll(原調)になります。

例えば、1つ目のカデンツまでの47小節間を見たとき、31小節目から始まる2オクターブ上まのシークエンス上行形は、36小節目でピークポイントに達します。36小節目からは、基本的には下行形を辿り最初のカデンツである47小節目にたどり着きます。

各セクション、どこがピークポイントであるかを決め、そこに向かっての方向性、そこからカデンツまでの方向性、を認識し、聴かせる様にします。

各カデンツは、カデンツであることが聴いている側にわかるように、何らかの工夫をしてみて下さい。多少のタイミングの調節は良いと思います。カデンツを聴かせることで、聴衆の頭の中も分割し、曲は格段に聴き易くなります。

執筆者: 大井 和郎