ブルクミュラー(ブルグミュラー) : 18の性格的な練習曲 紡ぎ歌 Op.109-18
Burgmüller, Johann Friedrich Franz : 18 Etudes de genre (faisant Suite aux Etudes faciles op. 100) La Fileuse Op.109-18
作品概要
解説 (2)
演奏のヒント : 大井 和郎
(547 文字)
更新日:2022年11月15日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (547 文字)
ついつい右手の3連16分音符に気を取られ、大事なメロディーラインまで気が回らない事が多いのですが、重要なメロディーラインも考慮しましょう。1~2小節間、右手に現れる、4分音符で書かれているメロディーラインは、A A H H A D Fisです。この A A H H A D Fis を単旋律で弾いて見てください。少なくとも、A A H H A と弾いたとき、最後のAにはアクセントを付けませんね?最初のAよりも次のAが少し大きく、それよりも次のHが大きく、2回目のHはもっと大きく、次のAで弱くなる と考えます。それから先のD Fisはクレシェンドをかけると思いますが、少なくとも2小節1拍目のAは力を抜きます。
右手3連16分音符を一緒に弾くとそっちに気が取られ、A A H H A D Fis は実に強弱的に平坦になりがちです。こういうところも気を遣いましょう。以降同様にメロディーラインを扱います。
4小節目の4拍目、ここの和音は、Gis H D F になり、Cisだけが非和声音になります。このCisは次のDとにごりを生じさせますので(rallentがかかっているためにごりが気になる)、ペダルを変えるなり、フィンガーペダルを使うなりして、このCisが残るのを、気になる方は避けてください。
解説 : 佐藤 卓史
(535 文字)
更新日:2022年1月31日
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解説 : 佐藤 卓史 (535 文字)
糸を紡ぐ「紡ぎ車」の回転のように、一定の機械的な運動を繰り返す無窮動風の曲が『紡ぎ歌』です。シューベルトの歌曲『糸を紡ぐグレートヒェン』に端を発し、ピアノ曲では学習者にお馴染みのエルメンライヒや、メンデルスゾーンの無言歌(作品 67-4)にも作例があります。アルペジオの運動をモティーフにした本作は、特にエレガントで洗練された『紡ぎ歌』です。これまでの練習曲で学んださまざまなテクニックが登場する、「総まとめ」の1曲でもあります。
演奏のポイント(原典 ♩=112)
初めは右手の拍頭の4分音符がメロディーで、細かい3連符の音型は装飾として扱われますが、2小節の3拍目からのクレッシェンドで一気に主役に躍り出て、頂点から優雅に下降します。この弧を描くようなラインと、デュナーミクを自然に寄り添わせることが大切です。手首は柔らかく、しかし上下ではなく左右への運動を主体にします。クライマックスは14小節の VI 度の借用ドミナントです。繰り返しをするときは、1度目と2度目で弾き方を変えてみましょう。左手の 2・4 拍目にある和音は軽く。最後は rapidamente(急速に)、一気に駆け上がるように終わります。
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