ブルクミュラー(ブルグミュラー) : 18の性格的な練習曲 すばやい動き Op.109-10
Burgmüller, Johann Friedrich Franz : 18 Etudes de genre (faisant Suite aux Etudes faciles op. 100) La Vélocité Op.109-10
作品概要
解説 (2)
演奏のヒント : 大井 和郎
(818 文字)
更新日:2022年11月6日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (818 文字)
この曲の注意点としては、「強弱が平坦になることを避けること」に尽きます。ついつい技巧的な曲は、技術に神経が集中してしまい、時に強弱を忘れがちですが、この曲も同じです。ダイナミック〔強弱)を決めるのには分析が重要です。
Aセクション 1~9小節間
Bセクション B1 10~17小節間
B2 18~25小節間
Aセクション 26~29小節間
CODA 30~40小節間
になります。
まず最初のAセクションでは、8小節間のフレーズが更にその半分の4小節x2に分かれます。即ち、1~4小節間と5~8小節間(2回目は5,6,7,9小節間)に分かれます。皆さんは1~4小節間と、5~8小節間を比べたとき、ダイナミックレベルはどちらの方が大きいとお感じになりますか?
物理的な音の高さから言えば、1~4小節間のほうは3小節目で右手が高いGに達しますね。こっちの方が大きいという考え方も出来ますし、もう一方では、5~8小節間の方はG-durに転調しようとしているので、こちらの方がテンションが高いと言う考え方も出来ますね。結果どちらでも構わないのですが、必ずこの2つのフレーズは強弱で差を付けるようにします。
また双方のフレーズも3小節目が最もピークポイントに達し、そこからdimで降りて来ますね。その秩序を守った上での話しとお考えください。
さてB1セクションも、 10~13小節間 と 14~17小節間の2つに分けることが出来ますね。
こちらの場合はどっちが音量的には大きく感じますか?筆者は14~17小節間の方が、短調になりますのでこちらの方が大きく感じますが、これもどちらでも構いません。ここでもこの2つのフレーズが強弱的に異なるようにしてください。
B2セクションは2つに分かれません。22小節目に向かってクレシェンドをかけて行き、22小節目が恐らくこの曲の最も大きい部分であると筆者は思います。22小節目に達したら徐々に音量を落としていきましょう。
解説 : 佐藤 卓史
(487 文字)
更新日:2022年1月31日
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解説 : 佐藤 卓史 (487 文字)
タイトルが示すとおり、極めてテクニカルな「エチュードらしい」エチュードです。右手の軽やかなパッセージは、ウェーバーの無窮動曲を連想させます。17小節で変イ長調に転調しますが、それが20小節で増六の和音に変化して、21小節で I 度の四六(第2転回形)に解決するところが和声上のクライマックスです。20小節までは少しテンポを後ろに引っ張って、21小節で一気に解放するように弾くと効果的です。
演奏のポイント(原典♩. =104)
右手の敏捷な指さばきには、もちろん十分な指の独立と、手首・前腕のサポートが必要ですが、案外見過ごされがちでこの曲の出来映えを大きく左右するのが左手のスタッカートです。特に5の指の打鍵が重くならないように、手の形を安定させて均等に弾けるようにコントロールしましょう。9小節からの和音連打はさらに短いスタッカートで、軽やかに、そして急がないように。右手は強拍ごとにアクセントがつかないように気をつけましょう。10,14小節の右手の音型の末尾、1指をしっかり打鍵することで跳躍がきれいに弾けます。
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