ヒナステラ :ピアノ・ソナタ 第1番 第1楽章 Op.22
Ginastera, Alberto:Sonata para piano No.1 Mov.1 Allegro marcato
解説 : 瀬田 敦子 (215文字)
冒頭の第一主題は強い意志と誇り高さを感じさせる。さらに確信に満ちた低音オクターブが鳴り響くと、倍音を得て重厚さがかもし出され、ピアノの能力が最大限に生かされる。一転して第2主題は少しもの悲しげなメロディが、甘く牧歌風に奏でられる。太鼓を打つような楽しげで暴力的な展開部を経て、さらに音量を増した再現部へ。 最後はgaio(陽気に)と記された第2主題がff で快活に登場し、両手オクターブでfffまで上行し興奮のうちに堂々と終わる。
解説 : 川端 美都子 (183文字)
第1楽章は、「スラーが書かれていない所はノン・レガートで、音量が大きいところではマルテラートで演奏」とヒナステラ自身が説明しているように、マランボ特有の勇猛で打楽器的な響きと、パンパの静けさのような素朴で抒情的な旋律との対比が際立っている。このような奏法を含め、平行3度の音型、4度の音程の重なり、矢継ぎ早に変わる拍子などは、ヒナステラ作品によく見られる特徴である。
ピアノ・ソナタ 第1番 第1楽章
検索