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ハイドン : ソナタ 第55番 第1楽章 Hob.XVI:41 op.37-2

Haydn, Franz Joseph : Sonate für Klavier Nr.55  Mov.1 Allegro

作品概要

楽曲ID:32240
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:8分30秒
著作権:パブリック・ドメイン
ピティナ・コンペ課題曲2025:E級

ピティナ・ピアノステップ

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楽譜情報:7件
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解説 (2)

解説 : 佐竹 那月 (158 文字)

更新日:2022年3月8日
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この作品は、1784年、マリー・エステルハージ妃に献呈された3曲のソナタ(作品37)のうちの2曲目である。第1楽章は2分の2拍子、ソナタ形式。冒頭から用いられる快活な付点のリズムと、第25小節以降に現れる柔らかい3連符のリズムとがせめぎ合いながら展開していく。めまぐるしい転調もまた、それらにアクセントを加えている。

執筆者: 佐竹 那月

解説 : 大井 和郎 (505 文字)

更新日:2025年4月3日
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このソナタの第1楽章は、ハイドン特有のユーモラスで、奇想天外な展開が

多く含まれています。基本的には楽天的な曲ですので、それを前提として考

えていきます。そのように考えると、このタイプの曲は、多少大げさなコリ

オグラフィー(演出法)が必要になってきます。

つまりは、この曲はしかめっ面で弾く曲ではなく、むしろニコニコした表情

で(そうする事が難しいのは重々承知です)弾かれるべきで、それが困難な

場合は、腕とか上半身全体でそれを表現して欲しく、例えば、手が鍵盤の上

で踊るように、1318小節間の付点のリズムを弾き、21小節目の様な、大

きな和音が2拍目や4拍目に来るような場所は、和音を弾いた瞬間に左手を上

に高く上げ、大げさに演出するようにします。

そのように、見た目1つでもユーモラスな演出で演奏することにより、この

1楽章が楽しいものであることを聴衆に伝えます。とにかく楽天的に考え

る事が基本中の基本と考え、綺麗に、上品に、そつなく、滑らかに、当たり

障り無く弾くという考えでは無く、とにかく面白く、生き生きと、笑い声の

ように、乱暴な部分は乱暴に、メロディックな部分はメロディックに、曲を

楽しく弾くことを目指してください。

執筆者: 大井 和郎