ハイドン : ソナタ 第54番 第1楽章 Hob.XVI:40 op.37-1
Haydn, Franz Joseph : Sonate für Klavier Nr.54 Mov.1 Allegro innocente
作品概要
解説 (2)
解説 : 大井 和郎
(513 文字)
更新日:2025年4月3日
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解説 : 大井 和郎 (513 文字)
筆者が観ている有名な出版社の楽譜には、この第1楽章のテンポが 4分音符
=72と書かれています。実際に弾いて見るとかなり速く感じます。個人的な
見解になりますが、アレグレットですので、そこまで速く無いと思います。
4分音符=72とまでは行かなくても、例えば60くらいの演奏としても、トリ
ル等の装飾音はかなりのスピードになり、技巧的になります。
筆者にとって、このソナタの第1楽章は、ハイドンの作品の中でもとても異
色な作品で、単なる楽天的な曲では無いと感じています。ここから先は、個
人的な考えになりますので、賛同されない方がいらっしゃっても全く問題あ
りません。
このソナタの第1楽章を、軽快に、生き生きと、快速に、そして技巧的に弾
くことは1つの考え方です。しかしながら、仮にこの第1楽章が、悲しみの表
現、寂しさの表現としたらと考えてみて下さい。
ハイドンの多くの作品は大変楽天的で、ユーモアがあり、意外性があり、活
気があります。しかしこのソナタの第1楽章に関しては、筆者に取っては、
単に楽天的とは言いがたい、深いものがあるような感じを受けますが如何で
しょうか?感じ方は人それぞれですが、視点を変えて考えてみることも時に
は必要です。
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解説 : 齊藤 紀子
(236 文字)
更新日:2020年2月9日
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解説 : 齊藤 紀子 (236 文字)
第1楽章のト長調はアッレグレット・インノチェンテ(インノチェンテは天真爛漫にと言う意)で8分の6拍子。この楽章は、ソナタ形式ではなくロンド形式で書かれている。そのロンド主題は、回帰する度に手を加えられている。ロンド主題か否かを問わず、楽章全体を通して、左右の並進行が随所に織り込まれている。また、冒頭の約3小節間の左手に主音が断続的に保続されていることが特徴的である。この潜在的な保属音は、この楽章の主要主題となるロンド主題に、安定感と気品をもたらしているように思われる。
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