ハイドン : ソナタ 第52番 第2楽章 Hob.XVI:39 op.30-5
Haydn, Franz Joseph : Sonate für Klavier Nr.52 Mov.2 Adagio
作品概要
解説 (1)
解説 : 大井 和郎
(597 文字)
更新日:2025年4月3日
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解説 : 大井 和郎 (597 文字)
更新日:2025年4月3日
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オペラなどの歌劇音楽をイメージしても良いですし、オーケストラのみをイ
メージしても構わないと考えられる第2楽章です。半音階的進行も見られ、
ドラマティックな部分も多くあります。1~23小節間、つまりはリピート
マーキングの手前までをAセクションとすると、Aセクションには多くの休符
があり、フレーズがそこで一区切りつくようになっています。例えば、1小節
目3拍目の休符、2小節目3拍目の休符、5小節目2~3拍間の休符、11小節目
で左手の3連符が途切れ、休符が来る等、その分落ち着きが保たれていると
考えます。
ところが、24小節目以降、Bセクションが始まるとそうはいきません。基本
の音符が3連符になってしまうほど多くの3連符が書かれ、それは決して止ま
らず、緊張感を増し、48小節目フェルマータまで緊張感が続きます。そのよ
うな、Bセクションを如何にテンションを高く、ドラマティックに演奏する
かで、この第2楽章の価値が決まってきます。
全体を通して、あたかも2重唱のような、3度で下降してくるパッセージが特
徴的で、このパッセージが来たら、精神的に落ち着く、安心する感じを受け
ます。喜びの表現と考え、美しく、歌うように演奏してみてください。
執筆者:
大井 和郎
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