ハイドン :ソナタ 第38番 第1楽章 Hob.XVI:23 op.13-3

Haydn, Franz Joseph:Sonate für Klavier Nr.38 Mov.1 Moderato

作品概要

楽曲ID:32192
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:5分00秒
著作権:パブリック・ドメイン
ピティナ・コンペ課題曲2025:D級

ピティナ・ピアノステップ

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楽譜情報:7件
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解説 (1)

解説 : 大井 和郎 (767文字)

更新日:2025年3月5日
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実に楽しく、楽天的な第1楽章です。ハイドン独特のユーモアのセンスも出ている一方で、ドラマティックな部分あり、優れた作品です。この第1楽章に関しては、テンポの乱れはそれほど心配は要りません。多くの奏者は一貫して1つのテンポで演奏することが出来ます。 この第1楽章に関しては、注意点が1つ、工夫すべき点が1つあります。まず注意点から述べますと、ペダルを極力減らすことです。それは単純に、3 2分音符が多く書かれており、ペダルを踏むことで濁りが生じるからです。 例えば、38~39小節間をご覧下さい。左手は4分音符で、筆者の楽譜にはテヌートマーキングが書かれています。これは十分伸ばしてと言うことなので、ペダルを踏みたくなる気持ちはよくわかるのですが、右手のCとHがペダルを踏むことで濁ります。方法としては、4分音符が入れ替わる、拍の最後、つまり1拍目から2拍目に移る瞬間のみ、ペダルを「一瞬だけ」踏むことで、4分音符は繋がりますし、ペダルは一瞬ですので濁りも気になりません。 工夫すべき点としては、表情を常に変えるようにします。この第1楽章は、シークエンス的なフレーズが、3つ、または2つ並ぶことが多く出てきます。

例えば、6小節目2拍目裏拍から7小節目2拍目までが1つ、7小節目2拍目裏拍から8小節目2拍目までで1つ、8小節目2拍目裏拍から9小節目までで1つ、合計3つのフレーズがあるとき、この3つの表情を全て異ならせるように弾きます。 12小節目2拍目から14小節目2拍目表拍まで、14小節目2拍目裏拍から16小節目2拍目表拍まで、16小節目2拍目裏拍から20小節目1拍目まで、と、こちらも3つのフレーズがあります。このような異なったピッチや和音によるフレーズを他にも探してみて下さい。そして同じように弾かないように工夫してみて下さい。

執筆者: 大井 和郎

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