ハイドン : ソナタ 第35番 第3楽章 Hob.XVI:43 op.41-4
Haydn, Franz Joseph : Sonate für Klavier Nr.35 Mov.3 Rondo: Presto
作品概要
解説 (2)
解説 : 稲田 小絵子
(175 文字)
更新日:2020年2月9日
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解説 : 稲田 小絵子 (175 文字)
第3楽章:ロンド。プレスト、変イ短調、2/4拍子。
ABACADAコーダのロンド形式。Aはabaから成り、属調のb部分は提示される度に少しずつ変奏されている。変イ長調のAに挟まれた3つのエピソードはそれぞれ変ホ長調、ヘ短調、変イ長調である。全体を通して快活な楽章だが、中心に短調をおくことによって劇的な雰囲気も生まれている。なお、コーダはD素材による。
解説 : 大井 和郎
(697 文字)
更新日:2025年3月5日
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解説 : 大井 和郎 (697 文字)
この手の古典派のソナタに関して、重要な事は、一貫してテンポを1つにすることです。こっちは遅く、あっちは速く、など、テンポが異なってはいけません。多く発生する事例としては、多くの音が書かれてある小節やセク ションはテンポが遅くなり、逆に音符の数が少ないとテンポが速くなる例です。 この第3楽章は、2/4拍子でPrestoなので、テンポは比較的同じテンポで進めやすい楽章です。テンポは1つで進むように心がけましょう。 もう1つ気をつけたいのはフェルマータです。ロマン派のフェルマータと古典派では少し長さが変わります。古典派のフェルマータのほうが、ロマン派のフェルマータよりも長さが短く、目安としては、その音符や休符の1.5倍位余計に延ばすと思ってください。延ばしすぎないように注意して下さい。 もう1つ盲点のなる事に、フェルマータの後のカウントがあります。56小節目をご覧下さい。4分音符にフェルマータがかかっています。それが終わった瞬間から、次の8分休符をカウントします。そして16分音符に入ります。フェルマータで延ばしているからと行ってその近辺が全てゆっくりするわけでは無く、フェルマータが終わったら、カウントを始めることを忘れないでください。 その他、1小節~2小節間の休符の場合など、カウントが途切れないようにしてください。 この第3楽章は、大変楽天的で、ハイドン独自のユーモアのセンスも溢れています。彼が本当にテンポを変えたいときは、Adagioと表記していますし、少しだけブレスを取りたい場所にはフェルマータが書かれています。それらは、テンポを一貫して変えないからこそ価値が出てきます。
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