ハイドン :ソナタ 第5番 第2楽章 Hob.XVI:11

Haydn, Franz Joseph:Sonate für Klavier Nr.5 Mov.2 Andante

作品概要

楽曲ID:32116
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:3分30秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:応用7 発展1 発展2

楽譜情報:6件
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解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (655文字)

更新日:2024年12月16日
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悲しみとも取れるアリアのような第2楽章です。絶大なる美しさがありますが、下手をすると、縦割りの硬い音楽になりやすい楽章ですので、以下の注意点をご参考ください。

奏者は、この楽章に出てくる全ての非和声音の存在を知っておくべきで、非和声音と和声音の違いを演奏上で表現するべきです。例えば8小節目、右手1拍目の Es は、稽留音と呼ばれる非和声音で、前の小節の Es が引き延ばされたものです。ですので8小節目の Es は強調されるべきであり、これは次の2拍目の D で解決されます。解決される場合は一般的に、非和声音よりも音量を弱く弾くようにします。故に D はほぼ 力を入れません。消えるように弾きます。このような、非和声音の扱いには気を配ります。

そして、フレーズの終わりの音に対してアクセントを付けないこと。例えば2小節目2拍目の A にアクセントを付けず、前の B よりも音量を弱めます。

加えて、重要な音とそうでない音の区別を付けます。例えば35小節目、右手には、Es C G Es D G H F とありますが、メロディー的には、Es D F が重要と考えます。そうするとこれら重要な音を意識し、その他の音に対して、硬く力を入れないようにします。

このような8分音符が8つも均等に並べられているパッセージに対して、全てに力を均等に入れてしまうと、音楽はとても硬く、縦割りになり、横に流れません。39小節目も、 DCABG あるいは、D C B と考えても構いません。8分音符が8つ並ぶ小節は気をつけてください。

執筆者: 大井 和郎