ラヴェル :ピアノ協奏曲 第1楽章 ト長調

Ravel, Maurice:Concerto pour piano et orchestre Mov.1 allegramente G-Dur

作品概要

楽曲ID:31889
楽器編成:ピアノ協奏曲(管弦楽とピアノ) 
ジャンル:協奏曲
総演奏時間:8分30秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

解説 : 舘 亜里沙 (490文字)

更新日:2019年8月8日
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ト長調、2分の2拍子、ソナタ形式。冒頭でいきなり、ウィップの音とともに第1主題がピッコロで示され、ピアノパートの分散和音が始まる。この分散和音が、右手は主旋律に従ってト長調のカデンツになっているのに対し、左手はそこから半音下がった嬰へ長調と思しき和音になっており、緊張感を生み出す。第2主題はピアノの独奏から始まり、ジャズ風の管楽器のパッセージが印象的なものとなっている。展開部は楽章全体から見ると非常に短いが、ピアノが第1主題と第2主題の一部を打楽器風に演奏し、主導権を握っていく。再現部は展開部の延長線上で、ピアノによる打楽器的な音響によって第一主題が演奏される。第2主題の再現では、ピアノが先に第2主題の全貌を見せた後、オケが第2主題の後半を反復し、ハープや木管の短いカデンツァに続いてピアノの長いカデンツァとなる。このカデンツァは敢えて主題を用いておらず、右手の俊敏なトリルの下で左手が提示部の結尾の旋律を、分散和音とともにポリフォニックに演奏する形になっている。最後は再びピアノの打楽器的な音型の中から管楽器による第1主題が浮かび上がり、華やかに楽曲が締めくくられる。

執筆者: 舘 亜里沙

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