ヘンデル : 組曲(クラヴサン組曲第1集から) パッサカーリャ(シャコンヌ) HWV 432
Händel, Georg Friedrich : Suite Passacaille HWV 432
作品概要
楽器編成:ピアノ独奏曲
ジャンル:シャコンヌ
総演奏時間:6分10秒
著作権:パブリック・ドメイン
解説 (1)
演奏のヒント : 大井 和郎
(620 文字)
更新日:2024年8月18日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (620 文字)
テーマとヴァリエーションです。パッサカリアやシャコンヌは3拍子系とされていますが、これは4拍子ヴァージョンです。
テーマは徐々に下行してくる、下行形シークエンスですが、奏者はまず、このテーマ(主題)の、4小節間で、どの辺りが最もテンションが高いかを見つけてください。
音の高さで言えば、2小節目でソプラノはFに上がりますが、それ以降のヴァリエーションではFは書かれていないヴァリエーションも存在しますので、あまりこの時点で音の高低は考えず、和音進行でテンションの高まるところを見つけてみてください。
この4小節を1~2小節間と3~4小節間に分けたとき、1~2小節間はB-durの終止で終わるような感じも受けます。g-mollの場合、第7音は導音のFisですが、それが2小節目1~2拍間ではFになっていますので、この時点でこの、FACという和音を、借用和音と考え、V/III と考え、それがIII に戻ったと考えても構いません。いずれにせよ、暖かみのある部分であると思います。
対して、3小節目ではFisが戻ってきて、g-mollという厳しい調を思わせます。3小節目3~4拍間は、ii の減3和音で、ここでテンションが高まると考えても良いと思います。
ここから先は、「調子の良い鍛冶屋」を連想させる、書法で、音符がどんどん細かくなっていきますので、テンションはどんどん高まり、最後のヴァリエーションでエキサイトメントが頂点に達するように流れてください。
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