とても半音階的進行が多く見られるクーラントです。このクーラントをどのような心理的描写に例えるかは様々です。筆者は個人的に、これだけの半音階的進行を見る限りでは、このクーラントをあまり楽天的には考えないと思っておりますが、その辺りの捉え方は自由です。
曲中にはカデンツ(終止形)がいくつかありますが、14小節目のように、16分音符2つ+付点8分+トリル+16分音符1つ がカデンツです。ここが曲の分かれ目(分岐点)になります。
14小節目の他、18小節目、34小節目、53小節目にもこのカデンツがあります。34小節目のカデンツの場合、本来であれば「F」が次の小節の冒頭に無ければならないのですが、冒頭にFはありません。しかし、2拍目の右手のFに解決したと理解します。
ピークポイントらしきものはいくつか存在しますので、奏者が考えるピークポイントを作ってみて下さい。前半の最高音はGになります。後半は48小節目のHになります。それらの箇所はピークポイントとして良い場所ですが、前半の4~5小節間に見られるGよりも、27小節目のGのほうが、筆者にはテンションが高く感じます。