音数が極端に少ない分、曲として魅了することはとても難しいメヌエットです。音色や音量、ムードを変えることで単純な曲でも魅力が出てきます。それには方向性や、調によってのカラーの変化が必要になります。
前半8小節間は転調もせず、G-durのまま進みます。1~2小節間、バスが上行しテンションを高め、3小節目のメロディー音Gに達します。このGが前半では最も高い位置にある音なので、ここから徐々に衰退して前半を終わるようにします。
後半e-mollに転調します。その前に9~10小節間、11~12小節間で2つのシークエンスがあり、上行していますのでそのままテンションを高めてe-mollに入るようにします。15小節目はこのメヌエットの最高音であるHに達しますので、9小節目から15小節目までクレシェンドをかけます。
16小節目はe-mollのカデンツ(終止形)の部分です。この後17小節目より、G-durに戻り、17~18小節間、19~20小節間、21~22小節間と上行形シークエンスが続きテンションは高まりますが、22~23小節間でG-durのカデンツになり、曲が終わります。
個人的な見解になりますが、やはり音の高さや、転調したときのテンションを考えたとき、15小節目のHがこのメヌエットのピークポイントとなるでしょう。奏者は、それぞれの調のムードや音量、ピークポイントへの方向性等を鑑みつつ曲を平坦にせずに、魅力あるメヌエットを目指してください。