サン=サーンス :動物の謝肉祭 亀

Saint-Saëns, Camille:Le carnaval des animaux "Tortues"

作品概要

楽器編成:ピアノ合奏曲 
ジャンル:★ 種々の作品 ★
総演奏時間:2分20秒

解説 (1)

解説 : 中西 充弥 (388文字)

更新日:2019年1月6日
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 まず、ここで押さえておくことは、これは「カーニバルのパレード」なのである。仮装行列が登場するのである。そしてフロート車の上で亀が何に扮するかと言うと…フリフリのドレスから短い脚を振り上げ…られないと思うのだが、脚を出して一生懸命フレンチカンカンを踊っている踊り子なのである。見ている観衆はワッハッハ…というのがこの曲の主眼である。亀の歩く速さにテンポを落とされて隠されたテーマは「天国と地獄」の邦題で有名なオッフェンバックのオペレッタ《地獄のオルフェ》からのものである。穿った見方ではオッフェンバックを批判しているという説もあるが、そこまで考える必要はないであろう。何故なら、当時はオペラとオペレッタの間には格式の点で大きな差があり、完全に棲み分けされた業界であったのだが、サン=サーンスはもとより大衆的なオペレッタには眼中がなく、あくまでオペラでの成功を願ったからである。

執筆者: 中西 充弥