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リャードフ :3つの小品 マズルカ Op.57-3 ヘ短調

Lyadov, Anatoly Konstantinovich:3 pieces Mazurka f-moll Op.57-3

作品概要

楽曲ID:23580
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:マズルカ
総演奏時間:1分20秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (677文字)

更新日:2022年11月29日
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多くの演奏を聴きましたが、失敗例としては、機械的に弾いてしまう演奏でしょうか。短い曲ですが、その中にドラマがあります。歌もあります。淡々と弾かないようにしてください。

冒頭1小節目に既にrubatoと表記があります。そして冒頭の表記は、Allegretto con

amorezza で、愛を込めてアレグレットでという意味です。1~8小節間が1つ目のフレーズとなりますが、このフレーズのゴールは7~8小節間と考えます。3~5小節間、8分音符が切れ目無く右手に現れますが、ここも機械的に弾かず、何かを語りかけているように弾きます。

ほぼ同じフレーズが9~16小節間で、1つ目と異なるのは最後のカデンツです。この時16小節目1拍目の左手はアルペジオになっていますが、バスはどうしてもペダルで残したいですね。そこで、和音の一番上の、As は、右手で取ってしまいましょう。そうすることでこの左手3つの音と右手1つの音は(F C As F)両手で押さえ込むことができ、その間にペダルを変えればにごり無く、バスを失うことの無いペダルが可能になりますね。

中間部のpoco più mosso は、やっとマズルカっぽい部分になりますね。17~18小節間、と

19~20小節間は、シークエンスです。2つのムードを考え、カラーを異ならせましょう。淡々と弾かずに、時間を取っても良いので、言葉を話すように表現しましょう。21~24小節間、期待と喜びが感じれます。そして、25小節目からまたシークエンスが始まりますが、31~32小節間は今度は現実に引き戻される心理状態とお考えください。

執筆者: 大井 和郎