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ラヴェル :鏡 第3曲「海原の小舟」 嬰ヘ短調

Ravel, Maurice:Miroirs "Une barque sur l'océan" fis-moll

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:性格小品
総演奏時間:6分30秒

解説 (2)

解説 : 舘 亜里沙 (463文字)

更新日:2019年2月13日
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【第3曲 〈海原の小舟 Une barque sur l'océan〉】

 画家ポール・ソルド Paul Sordesに献呈された長大な一曲。連綿と続くアルペジオと単位を変えながら漂う八分音符が絶え間のない印象を与えるが、一方で特徴的なモティーフに着目すると、A―B―推移部―A’―B’―C―推移部―B’’―Aという自由なロンド・ソナタとも捉えられる形式になっている。  A部分のモティーフが同一音型の繰り返しと短七和音の響きによって、柔和で静的な雰囲気を持つのに対し、B部分のモティーフは半音の響きが鋭いトレモロと短三和音で激しく上昇/下降するアルペジオによって、強く動的な雰囲気を持つ。C部分では同一音型の繰り返しの中で減音程・増音程・半音がより大胆に取り入れられ、緊張感が漂う。だがB部分が回帰すると、音楽は冒頭のA部分が生み出した柔和な雰囲気へと流れてゆき、最後は冒頭のA部分と全く同じモティーフが現れ、静かに終結する。  なお、ラヴェルは1906年10月にこの曲の管弦楽版を書いたが、後に自らその演奏を禁じている。

執筆者: 舘 亜里沙

解説 : 舘 亜里沙 (425文字)

更新日:2019年7月17日
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