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ショパン :ノクターン集 第7番 Op.27-1 CT114 嬰ハ短調

Chopin, Frederic:Nocturnes Nocturne No.7 cis-moll Op.27-1 CT114

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ノクターン
総演奏時間:5分00秒
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解説 (2)

解説 : 樋口 晃子 (1111文字)

更新日:2019年2月9日
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Deux nocturnes op. 27

この2曲のノクターンは1835年に作曲され、初版はパリ(M. Schlesinger, 1836)、ライプツィヒ(Breitkopf und Hartel, 1836)、ロンドン(Wessel, 1836)で出版された。オーストリア駐仏公使夫人であったダッポニィ伯爵夫人に献呈。身分の高い彼女の捧げたことから、「貴婦人の夜想曲」と呼ばれることもある。また、1組の作品としてまとめられているが、これら2曲の曲想は互いを引き立たせるかのように、著しい対照をなしている。

No. 1 嬰ハ短調

このノクターンは、他のノクターン同様、3部分(A - B - A’)からなる。AとA’で絶えず伴奏音型を奏でる左手の6連符の分散和音は、第13小節で2オクターヴ以上になるなど、非常に広い音域をもつ。こうした広範囲な音域間のスムーズな動きは、ダンパー・ペダル(長音ペダル)の改良によって可能になった。

冒頭、第3音(e)を含まない空虚5度(cis, gis)という特徴的な響きの前奏に続いて、右手に方向性の定まらない半音階的な主題が提示される。初期の作品9-2(第2番)や作品15-2(第5番)に見られる主題反復時の華麗な装飾は、この曲では全く見られない。そのかわり、主題が反復される際には右手の旋律に二つの声部が加わり、「独唱」から「二重唱」へと変化している。旋律は他のノクターンに比べ、非常に簡素で起伏が少ないが、ダンパー・ペダルの使用によって伴奏音型と見事に溶け合う。第29小節からは、雰囲気が一転しドラマチックな中間部B(第29~83小節)にはいる。2小節単位の短いフレーズとせき立てるような同音連打、そして20小節間にわたる左手の符点二分音符の上行音階と半音によるトレモロによって、音域もダイナミックスも一気に押し広げられ、第46小節で一度頂点に達する。再び第53小節から半音階的進行が現れ、中間部の一つの情景が収束する。第67小節目には作品15-3(第6番)と同様、マズルカが登場するが、踊りは長続きせず半音階的な転調ではぐらかされ、第81小節の強烈な和音連打で遮られる。30年代のノクターンにおけるこうしたマズルカの使用は、30年に勃発した11月蜂起によって掻き立てられた民族的感情の表れとも解釈できる。主題回帰の直前、長いフェルマータの中で、左手がレチタティーヴォ性の強いパッセージをオクターヴで奏する。

A’はAの大幅な縮小形で、第 94小節で同主調の嬰ハ長調へ転調するが、これ以降をコーダとみなすこともできる。音量も速度も緩みながらAdagioへと向かい、嬰ハ長調のまま曲を閉じる。

執筆者: 樋口 晃子

演奏のヒント : 大井 和郎 (1103文字)

更新日:2018年3月12日
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