第二集の最初の曲であり、1878年頃に作曲されたとされている。冒頭にはドイツ語で「きわめて興奮して、しかし速すぎずに(Sehr aufgeregt,doch nicht zu schnell)」と指示があるように、前曲と打って変わって、オクターヴを打ち鳴らす激しい曲。本曲集の中では規模の大きい部類に入り、ピアノの技巧的にも比較的難度のある曲だと思われる。冒頭の主題では8分の6拍子は、4分の3拍子的にとられているが、次のオクターヴを多用した主題では2拍でとられているように多層的なリズムの扱いも特徴にあげられる。最後はフォルティッシモで劇的に閉じる。