標題はイギリスのチャールズ・ディケンズ(1812-1870)の長編小説『ピックウィック・クラブ』に登場する主人公、サミュエル・ピックウィックから付けられた。ビジネスマンの彼はピックウィック・クラブを創設し、終身会長兼会員(P.P.M.P.C.)となった。冒頭はイギリス国歌《God Save the King(神よ国王を守り給え)》が引用されて、荘厳な雰囲気を湛える。しかし、これはパロディであり、「aimable(愛想のいい)」という楽想指示と増三和音に導かれて軽やかな付点リズムが顔を出し、主人公の陽気で人懐こいキャラクターの描写が前面に現れる。