ドビュッシー :プレリュード(前奏曲)集 第2集 オンディーヌ
Debussy, Claude Achille:Préludes 2 "Ondine"
解説 : 白石 悠里子 (374文字)
1912年、ドビュッシーは娘シュシュとともに、パリで開催された挿絵画家アーサー・ラッカムの展覧会へ出かけ、ドイツの作家フリードリヒ・ド・ラ・モット・フーケ(1777-1843)の童話『ウンディーネ』の挿絵を見て着想を得た。水の精の気まぐれな動きは、異なる性格を持つ4つのモチーフによって表現される。10小節の序奏に続いて煌めきと優しさを持ったモチーフa(第11-13小節)が現れ、順次的に上下降するモチーフb(第16-17小節)、跳ね回るアルペッジョを伴ったアルト声部のモチーフc(第18-19小節)へと引き継がれる。楽曲の半ばからは、同音反復によるモチーフd(第30-31小節)が登場し、既出のモチーフb、cを挟み込みながら、発展していく。最後はモチーフaへと回帰し、水中に消え去る水の精を描写するように静かに閉じられる(見取り図)。
【見取り図】
プレリュード(前奏曲)集 第2集 8. オンディーヌ
プレリュード(前奏曲)集 第2集 オンディーヌ
オンディーヌ