ドビュッシー :プレリュード(前奏曲)集 第2集 妖精は良い踊り子
Debussy, Claude Achille:Préludes 2 "Les fées sont d'exquises danseuses"
解説 : 白石 悠里子 (321文字)
1912年のクリスマスに、友人ロベール・ゴデからドビュッシーの娘シュシュへ、ジェームス・マシュー・バリー(1860-1937)による『ケンジントン公園のピーター・パン』の美装本が贈られた。そこには、アーサー・ラッカムの挿絵が入っており、その中の1枚である、蜘蛛の糸の上で踊る妖精の絵からこの曲のアイデアは採られた。両手の反進行で作られるアルペッジョ・モチーフ(第1-5小節)と上声のトリルによるモチーフ(第6小節以降)による素早く軽快な妖精の舞いに対して、中間部では自由でダイナミックな舞いが展開される(第24-59小節)(譜例)。最後は再び軽快な舞いが戻り、その余韻を残して終わる。
【譜例】ダイナミックな中間部の開始部分、第24-27小節
プレリュード(前奏曲)集 第2集 4. 妖精は良い踊り子