ドビュッシー :プレリュード(前奏曲)集 第2集 枯葉
Debussy, Claude Achille:Préludes 2 "Feuilles mortes"
解説 : 白石 悠里子 (335文字)
マルセイユ出身の詩人で評論家のガブリエル・ムレ(1865-1943)の初期の詩集『散りぢりの声−アダージョ、枯葉、夢に見たスケッチ』[2](1883年出版)から着想を得たと言われる。ドビュッシーとムレは親交が深く、フルート独奏曲《シランクス》(1913年作曲、1927年出版)はこの詩人の韻文劇《プシュケー》の付随音楽として書かれたものである。冒頭4小節では、ゆったりしたテンポで徐々に下降する舞い散る落ち葉のモチーフが現れる。このモチーフに常につきまとう静けさは、否が応でも哀愁を呼び起こす。対して中間部は、重々しさがありつつも、スタッカートや32分音符のパッセージが加わることでどこか推進力と躍動感を備えている(第19-40小節)(譜例)。
【譜例】第19-23小節
プレリュード(前奏曲)集 第2集 2. 枯葉