標題の由来は不明である。曲の開始から現れる黒鍵のアルペッジョに装飾された白鍵による平行三和音のモチーフ(第1-2小節)は、霧のようなはっきりとしない曖昧な情景を描く。対して、第18小節からは動きの少ないシンコペーションのリズムが登場する(譜例)。この楽曲はこれら2つのモチーフの対比で構成される。第24小節から冒頭のモチーフが再出現し、強弱やテンポの変化によって霧の濃度が変わっていく。第38小節からシンコペーション・モチーフが現れ、2つのモチーフは交錯しながら次第に消えていく。
【譜例:シンコペーション・モチーフ、第18-21小節】[1]
