チャイコフスキー :組曲「くるみ割り人形」 金米糖の踊り Op.71a ホ短調

Tchaikovsky, Pytr Il'ich:The nutcracker suite  "Dance of the candy fairy" e-moll

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:組曲
総演奏時間:2分00秒

解説 (1)

解説 : 木暮 有紀子 (405文字)

更新日:2019年1月6日
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この曲は、バレエ2幕の終盤に使用されるパ・ドゥ・ドゥ中の第2変奏だが、組曲では3曲目に登場する。お菓子の国の女王ドラジェの精の独舞。日本では〈金平糖の精の踊り〉と訳されているが、本来は果物を砂糖でコーティングしたドラジェというお菓子のことを指している。

この曲の右手部分の主題は、オーケストラ版ではチェレスタによって演奏されていた。チェレスタはいわば鍵盤付きのグロッケン・シュピールでアップライトピアノに似た形をしている。金属板を叩くハンマーがフェルトに巻かれているため、非常に柔らかい音がすることがチェレスタの最大の魅力である。パリを訪れた際、チェレスタを目にしたチャイコフスキーがこの楽器の存在を周囲に口止めするほどその音色に惚れ込み、ロシアの作曲家の誰よりも早くオーケストラの中に取り入れようと意気込んだという記述が、彼の書簡に見られる。左手部分は、オーケストラ版では弦楽器がピッツィカートで演奏している。

執筆者: 木暮 有紀子