この曲には臨時記号が1つもありません。つまり、ずっと原調のC-durのままなのです。よって、音色の変化は、C-durの中で行う事になります。

この曲は2つの素材から出来ています。1つは、スタッカートのパッセージの素材で、1〜18小節間のような素材、もう1つは19〜34小節間のような、右手が付点8分＋16分のような流れる素材です。

スタッカートの素材をA、流れる素材をBとします。スタッカートの素材Aは1つ登場する度にいくつかのフレーズに分かれます。例えば1〜18小節間の場合、1〜4、5〜9、10〜13、14〜18、の4つに分けられますが、一つ一つのフレーズに方向性を付け、何処の小節に向かっているのかを認識して下さい。同じpマーキングでもその範囲内で多少の強弱の変化が欲しい所です。

一方で、素材Bもいくつかのフレーズに分かれ、例えば19〜34小節間では、19〜22、23〜26、27〜30、31〜34の4つに分けることができ、1つ1つのフレーズが他とは違う様に、違いを付けて下さい。この場合恐らく、27〜30小節間が最もテンションの上がるフレーズとかんがえられます。

全体は、速く、軽く、滑らかに、繊細に、淡泊に演奏するように心がけます。決して強い感情表現ではありません。