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シベリウス : 13の小品 子供の小品 Op.76-8

Sibelius, Jean : 13 Pieces "Piece enfantine" Op.76-8

作品概要

楽曲ID: 21377
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:1分00秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (804 文字)

更新日:2025年10月23日
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まず、よく間違われる、vivaceという言葉ですが、これは「速く」という意味ではありません。「生き生きと、元気よく」という意味があります。英語では、lively という意味です。前半細かい8分音符の連続ですが、mpであろうと、ppであろうとも、決してテンションを下げず、生き生きと弾く事が大切です。

その上で、132小節間を一区切りとしたとき、この中にカデンツ(終止形は4つあります。1つ目は8小節目、2つ目は16小節目、3つ目は24小節目、4つ目は32小節目です。よく観ると、この4つのカデンツの中で、完全終止は4つ目の32小節目でしかありません。1つ目は、転回形で終わります、2つ目も同じ、そして3つ目はドミナントで終わりますのでこれも違います。つまり、4つ目のカデンツにしてようやく、一区切りがついた感じを感じられ、残りの3つは「決して落ち着かない」カデンツとなります。

「決して落ち着かない」と言うのは、常に動いていること=音楽を止めない事、テンションが高いこと、を意味します。そのような気持ちで弾きます。3つ目はドミナントですが、作曲家はここで初めてフォルテを書いています。32小節目までの一区切りの中で最もテンションの高まる所です。1小節目からこの、24小節目のドミナントに向かって行くと言っても過言では無いほど、ディレクション(方向性)をここに定めて下さい。

そのあとすぐmpになるものの、テンションは維持したままで4つ目のカデンツを弾きます。そして最後はpppで終わりますが、この曲には、rit 等、テンポを下げるマーキングが1つも書かれておりません。最後の最後までストレートにテンポを維持して終わる様にしてみて下さい。

執筆者: 大井 和郎
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